キラキラが痛くてたまらない

単体専属女優として、1年で約二千万稼いで辞めたAV女優の告白です。元AV女優キャリア売りで生き延びたくなかった。出演を絶対に勧めない。彼女は、たまたま地獄から救ってくれる人に出会えた。現場から抜け出せず、命を失った女の子たちもいる。早く性搾取に気づいて欲しいから、体験を語ってくれました。
郡司真子 2022.10.28
誰でも

注)被害経験のある方は、フラッシュバックの可能性があります。

れいさん(仮名)が自ら出演を希望したのは、有名作家がラジオ番組で、アダルトビデオ(AV)業界の煌めきを描いたルポを好意的に紹介していたことがきっかけだったという。渋谷で、AV女優にならないかと、何度もしつこくスカウトされたことがあった。学生時代にモデル経験もあり、撮影現場の雰囲気が懐かしく、セクシー系出身のタレントさんも増えているようだし、職業差別意識もなかった。アダルト業界には、一般の芸能界と同じように、少しコワめの人がいるのは知っていた。

ラジオを聴いた翌日の日曜昼下がり、インターネットで事務所探しをしてみた。パーツモデルや一般映画のエキストラなどの募集もしている明るい雰囲気の事務所が多かった。現役ファッションモデルや舞台役者の登録者を看板にしている事務所に、れいさんは自ら電話した。社長もスタッフも女性だけのプロダクションという宣伝ワードに安心感があった。電話番号を押す指が少し震えたが、3コールで出た受付女性は気さくで、不動産や旅行会社を経て転職して来た、今セクシー業界はホットなんです。幅広い年齢層で、長く働けますよと、明るい。今すぐ面接しましょうと、軽いノリだ。

当時、表参道でデザインの小さな会社を経営していたれいさんは、取引先トラブルや従業員からの裏切りで、経営が危なくなっていた。会社の家賃やスタッフへの人件費支払いに窮する状態だった。女性経営者だということをつけ込まれ、顧問税理士や会計士などからも詐欺的な行為があって、誰にも頼れる状態ではなかった。電話したプロダクションHP上の「ギャラ即日払い・前払い等の相談に乗ります」という言葉が会社を立て直す資金が調達できるかもしれないと、希望に思えた。

電話した日の夕方、面接することになった。「履歴書は要らないですよ、お茶飲んでおしゃべりするだけみたいな感覚で来て下さい。15分くらいで済みますよ。」と、受付女性スタッフも明るい調子だったので、気楽に業界の話だけ聴いて帰ろうと思った。山手線の駅から徒歩5分ほどのプロダクション事務所は、ネット地図からもわかりやすく、迷わずに到着できそう。

プロダクションが入居しているビルには、英会話教室や印鑑屋などもあり、いかがわしさはなく、ちゃんとした会社の印象がした。プロダクション入り口に飾られた一般映画やAVアイドルのキラキラしたポスターが眩しい。普通の芸能事務所とあまり変わらないな。一気に警戒する気持ちが解けていく。受付女性もぽっちゃりしてニコニコ笑顔を絶やさず、フレンドリーで優しいバスガイドさんのような団体旅行の添乗員さんのようなイメージだった。

玄関で靴を脱ぎ、消毒済みのスリッパに履き替え、街が一望できる広いガラス窓の部屋に通された。看板女優たちの販売促進用の看板やグッズが飾られていた。

「面接は初めてですか?女性スタッフの事務所なので安心して下さい。これ、面接シートです。疑問があったら尋ねて下さい。同意のもとで撮影していて強要はありませんから。」優しそうな女性スタッフから書くように求められたのは、いわゆるNGチェック表だろうか。

OK-条件次第でOK-保留-NGにマル付けしろというA5くらいの大きさの紙だ。あまりに小さい文字が、ビッシリ書いてある。コピーを何度も繰り返したのか潰れた小さな明朝体で書かれた単語には、意味不明の言葉がたくさん並んでいた。知っている単語だけでも露骨な表現だったので、吐き気がしてきた。意味がわからない言葉は、何やら淫靡な、危険なことのように感じた。

「無理です、全部できません。」れいさんは、怖くなった。ペンを持つ指が震える。

「知らない言葉は飛ばしていいですから、大丈夫ですよ。裏面見て。どんな行為が一番良かったか、どんなことにチャレンジしたいかだけでも書いてみてください。あと、出演する目的だけでもいいですよ。」ぽっちゃりしたスタッフは、ニコニコ笑顔を絶やさない。

そこに、女性社長が現れた。さらさらロングヘアーの小柄な人で、動きも素早く、目つきも鋭い、クノイチのような雰囲気だった。社長は北海道出身で、飲食業界や服飾デザイン、販売など、経験豊富だそうで、れいさんと偶然共通の知人もいると言う。同じ経営者としての悩みも共有できて、れいさん自身の経営の問題についても話せた。女性専用プロダクション運営のために、心理カウンセラー資格も取得したという社長は、大変に聞き上手でもあった。

「うちは一般映画やドラマの仕事もあって、危ないのは断ってる。安心して。」デザイン会社経営者として何度もいろいろな人たちに騙され、他人が信用できなくんあっていたれいさんは、頼もしいお姉さんに出会ったかのよう。

学生時代にモデル事務所に所属し、一般映画やCMにも出演経験のあるれいさんの経歴を活かすことができる、芸能界復帰するような気持ちで一歩を踏み出そうと、説得された。れいさんは、「この事務所にプロモーションをお願いしても良いかも」という気持ちになって行った。社長は、「給料前貸ししてでも、れいさんを売り出したい、大型新人だ、絶対に成功できる」と、たたみかけ、太鼓判を押す。

「話がまとまったところで、写真を撮っておきましょう。服を脱いで、パンツはそのままでいいから、ブラジャーは、外して。身分証は顔の横に構えて。動画も撮るから名前と年齢、生年月日、趣味、特技、1分間くらいで喋って。来週メーカーさんとこ一緒に行ってもらうから。」どんどん話が進んでいく。

「とりあえず、100万前払いしておくね。」札束がドンと置かれた。経営難に陥ったれいさんの会社家賃を払い、従業員給与も払える。会社の運営のために、先月は、すべての貴金属は質屋に入れたばかりで、後のないれいさんは、決断するしかないと、自身に信じ込ませた。「エロティシズムを追求する作品を世に出そうよ。あなたが監督をすることも念頭に入れて。」社長はかなり強気だ。

「借用書は書いてね。利子は要らない、ギャラ相殺でいいから。メーカー面接前に服買ってヘアメイクするからね。それは事務所持ちだから、安心して。」社長の指示で怖いくらいに話が進んでいく。

翌週に決まった大手メーカーは、その時期、一番勢いのあったグループで、面接は、監督、プロデューサーが集まった会議形式だった。数人の監督による10本シリーズ、海外撮影の写真集発売が決まった。シェイプアップが必要だからと、撮影前のトレーニングも用意された。プロダクションでは一気に看板女優となったそうで、担当マネージャーと芸名が決まった。

制作会社の企画会議やパーティーにも呼ばれ、制作会社グループ社長からは「君みたいなキチガイを待ってたんだよ、ワハハ、期待してますよ!」と奇妙な褒め方をされたことが、心に刺さった。社長はかなり有名人だそうで、「社長から直々声をかけてもらえるなんて、すごいことだ、さすがですね!」と、マネージャーは盛り上がった。

写真集のグラビア撮影で、風来坊のようなカメラマンが「上手くいく子で半年って世界だからね、、、」と呟いた時、現場が凍りついたのも気になった。多分それは、本音であり、業界の怖さを暗に知らせてくれたんだろう。実際、国際的な調査でも、日本のAV女優の8割は、半年から1年ほどで職を失い、新人に置き換わることが常態化していることが明らかになっている。

写真集撮影、週刊誌、業界誌、スポーツ紙のシリーズ取材、秋葉原や神奈川県の専門店やなどでの発売予告イベントが続いた。毎日が忙しい。シリーズ1本目の8月撮影分の発売は12月末だ。毎月、一本ずつ撮影し、ファンサービスイベントを続けていくスケジュールだった。

シリーズ1本目撮影当日、本番(挿入ありの性行為)を行うと言うことについて、まったく事前には知らされておらず、朝渡された台本を見て、メイクルームで気づいた。一般映画では、そんなことをしないだろうし、にっかつロマンポルノも擬似だったはずだ。

擬似演技での撮影をプロデューサーに懇願した。「現代のAVは本番が当たり前。あなたが選んだから。」と迫られた。十数人のスタッフも待ち構え、スタジオ設営には、大金がかかっているように見えた。もう逃げられない。

都内の巨大AV撮影専用スタジオは、準備が整っている。マネージャーはまたまた興奮している。「今一番の設備が整ったスタジオで、こんなすごいスタジオ用意されて、もう一流って証ですよ、誇らしいです。」共演する男優さんは、テレビや雑誌でも顔が売れてる有名どころばかりだ。朝から夜まで3つのシーンが予定されている。パッケージ撮影を済ませ、スタッフからの熱気に満ちた期待を感じた。昼食後にシーンに入るという。「もうこの業界は、一大産業なんです、普通の美容師するよりギャラも安定してる。今夜は終わったら天ぷら食べにいきましょうよ。」と、メイクさんも言っている。撤収なんて無理、今更断れない。自分の居場所はもうここしかないのかも。

かつてモデルとしてファッション誌やCM、映画に多少の出演経験があることから、元芸能人のAVデビューとして雑誌表紙にもなった。AVデビューシリーズは、モデル界で起きた性暴力を再現するという内容の台本だ。シナリオは当日渡された。性行為の具体的詳細は記されておらず、その場でエスカレートしたが、何一つ拒否できず、されるがままになった。現場に迷惑をかけてはいけないと、過剰適応するしかなかった。

れいさんのデビュー10本シリーズは、モデル界で数々の暴力から性の悦びに目覚め、性の表現者になっていくという酷い展開だった。しかしながら、実は、台本通り、れいさんは幼少期から性暴力に遭い続けたことから、性化行動を起こしてきた。傷付いてきたはずなのに、更に自ら傷つきを重ねることを望む性的自傷トラウマの再演である。

性化行動、性的自傷、トラウマの再演 は複雑性PTSDの症状と言われている。ドメスティックバイオレンスやネグレクト などの逆境環境経験者、性暴力被害者、発達特性ある人に起きやすいことがわかっている。精神科医療や心理学臨床では、こういった症状がある人がアダルトビデオ業界や性風俗業界に自ら望んで入っていき、更に傷つき体験を重ね、症状を悪化させてしまうことは知られているが、性売買やAV出演でそれが搾取されていることが、一般的に明らかになったのは、「AV出演被害防止・救済法 」の審議で被害者らが声を上げたからだ。れいさんが出演した当時は、一般的にも知られていなかったし、AV業界としては「エロい子」「キチガイ」と、呼ばれるなど、都合の良いように使われていた。

れいさんが、自身の行動をトラウマの再演であると知ったのは、引退後、数年経ってからだ。デビューシリーズや続編撮影のギャラやイベントでの副収入の合計約2千万円は、すべて自身の服飾デザインの会社家賃や人権費に消えた。会社を維持するために必死だった。しかし皮肉にも、AV出演が原因で服飾業界での信用を失ってデザイン業界では会社としては、立場を失ってしまった。もう普通の生き方はできないかもしれない。

デビューシリーズ撮影後、事務所からは台湾などの海外進出を勧められ、まだ普通の「絡み」しかしていないから、もっと幅を広げる方針を告げられた。制作会社のパーティでも、「もっと刺激的にやろう」と声をかけられた。「更なる発展のために整形もありだよ」と、社長にクリニックにも連れて行かれた時、「逃げなくては」と決意した。

れいさんは、逃げないと…と、焦りながらも、事務所にはいつも借金させられ、ファンサービスのイベントに強制的に出勤させられていた。最初はファンが大勢集まるイベント会場でのトークショウだったが、だんだん個室でファンへ会話を提供するイベントが増えていった。AVユーザーはエゲツナイのから普通っぽいのまで多様だ。れいさんは、こういったファンサービスのイベントも苦痛だった。

もう最後にしようと出勤したイベントの日、その日の客は、品の良い、純粋に会話だけを楽しみたいという老人だった。「やめたいんじゃないの?」老人は、れいさんに尋ねた。そんな質問は初めて。ほとんどのファンは、もっとスゴイのが観たいなどといやらしい口調で言うのに。

「どうしてAVやってるの?」と尋ねるファンは多い。サービストークとして「あー、ちょっと遊びが過ぎまして、、、」と、れいさんは、答えることにしていた。生活のためとか会社の経営が大変でとか、リアルな話は、AV女優には、求められていない。ファンタジーが必要なのだ。しかし、その老人の問いには、素直に答えられた。「辞めたいです。」

プロダクションを辞めるのは、かなり難しい。性風俗を経営している事務所も多く、もともと性風俗の業者がAV女優を抱えるプロダクションを手掛けていることも多い。個人人身取引、チャット、デリバリー、ソープ、キャバ、ギャラ飲み等も兼業させられるAV女優は多い。学費前貸しや整形、寮等の借金を背負わされ、兼業せざるを得なくて、擬装セーフティネットの囲い込み構造で逃げられない。

れいさんも演技の練習として、吉原の高級ソープに体験入店するように事務所社長から指示された。マネージャーが副業で始めた錦糸町のデリバリー店に看板だけで良いから出してよと頼まれ、怖くて断れなかった。チャトレや撮影会ノルマも課せられ、海外セレブ接待も持ちかけられた。逃げなければ…。れいさんが鶯谷の高級ソープに面接に行かされた時、「コンドームを勿論使いますよね?」と質問したら支配人は、「お客様のすべてを受け入れるのが、あなたがたのお役目なんですよ。その優しさに対価が支払われるです。」と答えた。AV業界も性風俗も高級店であっても、健康被害は、従事する人の自己責任にされている。絶対に逃げなければと決意したのは、そのような新自由主義の奴隷になりたくなかったから。

「辞めたい」と告白できた老人とは、LINEで繋がっていた。「事務所が怖くて辞められません。」メッセージを送った。れいさんには、事務所から訳の分からないうちに課せられた借金100万円がいつもついて回っていた。それを返済してしまえばよいのだ。「違う働き方があるはずだよ。事業計画書いてみて。」老人から返信が来た。

「れいさんが目指す性表現は、現状の凌辱や虐待ばかりの業界では困難でしょう。服飾デザインの会社は、信用を失ってしまっているし、家賃が重すぎる。閉じよう。会社社屋を解約し、固定費を極力なくす。新規事業を立ち上げ、AV業界に頼らないサイクルを自分で構築すればいい。都の事業支援も沢山ある。」行政には、経営難を助けるための支援が、実は豊富に用意されている。老人からのアドバイスで、れいさんは、AV業界による洗脳から覚めた。

凌辱ばかりの撮影で、心身は疲弊していた。毎晩のように悪夢にうなされ、連続睡眠できない。ストレスによる頭痛や耳鳴り、皮膚疾患が悪化した。連続飲酒もやめられない。同僚女優たちもホストに関係性を搾取されるなど、何らかの依存症を抱えていた。マネージャーが「気分がアガる」と錠剤を差し出すのも危険だ。

朝起きることができなくなり、精神科に通うことにした。環境調整が必要だと医師は言う。やはりもう撮影は嫌だ限界だ。避妊具をつけない口腔性交が現場では常態化している。拒否したら、「向いてないじゃない?性病は死ぬような病気じゃないのに、何人分ごっくんできる?」と、監督に尋ねられた。やはり無理すぎる。

レズもので共演した同僚の女優さんは、小陰唇がほとんどなかった。13歳から家出して、いろいろあって切除したそうだ。整形依存もあり、性売買とAVの仕事を細々と続けてきたが、太客かパパをみつけてスナックをやるのが夢だという。元キャビンアテンダントとしてAVデビューした別の女優さんは、Vは稼げないからと、生活のためにM嬢風俗店に転職して行った。皆サバイバーだった。

人権侵害のない、凌辱ではない作品なら、AVの仕事を続けられるのではと、業界の大御所に相談した。虐待ではない新しい表現法として紹介されたのが「脳イキ」ジャンルだった。特別な女優しかその域に達せないとして、貴重視されているという。ワークショップでは、逆境体験ある人の解離や自傷、トラウマ再演が利用されていた。その瞬間は、性での傷つきが癒されたかのように見えるが、それは、複雑性PTSDの症状の利用でしかない。最終的にそのような行為を続けて、自死につながった女優が知人にもいて、れいさんは、直感的に、危険を感じた。

れいさんも幼児期から数々の性暴力に遭ったことで、性化行動が起き、傷つきを重ねてきた。解離状態になることを出会った人たちに搾取されてきたことに気付いた。奔放と思われたり、性による傷つきを「癒している」と主張し、利用する人たちもいた。その行為により、解離と虚脱を繰り返すのが、身体的にも、精神的にも、とても辛い。

撮影では、毎回潮吹きを何度も実演させられたせいで、現在でも膀胱、尿道、腎臓に疾患を抱え、成人用のオムツを常用している。ラテックスアレルギーも発症した。虐待シーンがフラッシュバックするために、性的シーンのあるコンテンツは観られなくなったし、自身の出演作品を一度も観たことがない。

れいさんは、あの老人の助言で自己破産し、デザイン会社も閉じた。暫くは個人事業主のデザイナーとして新たな人脈を築き、新規事業を起こした。性的に認められたり、求められたりするのではなく、人間として大切される経験を積んで、ようやく、2000万稼いだAV出演は、搾取であり虐待だったと、後悔している。

れいさんの作品は、虐待モノ適正AVとして販売されており、AV出演被害防止・救済法 では、取消権もなく、まったく救済されていない。PTSD、トラウマ治療は、保険適応ではなく、自費だ。泌尿器科や腎臓病の治療費が嵩む。AV業界では、現状、心身の被害は被害者の自己責任とされている。理不尽極まりない。

れいさんのようなケースで考えると、初回面接でヌード撮影、契約、前貸し契約を取り付けるのではなく、カウンセリングや社会福祉士に繋げるべきだ。会社の運転資金のために、出演ありきではなく、事業計画の見直しや行政の中小企業支援が使えたはずだ。擬装セーフティネットに囲い込むのは詐欺ではないだろうか。新法により、当日契約できなくはなったが、ヌード撮影されてしまえば、逃げられないし、経済的困難状況にあれば、契約を躊躇しにくい。断りにくい特性がある人たちも同様だ。

れいさんは、大きな制作会社の専属単体の女優だった。AV業界では、一番お姫様扱いでチヤホヤされているはずの立場でも、これだけの性搾取の餌食になっているという現実を多くの方に知って欲しいと、経験を語った。1作品の報酬が3桁(出演者の手取りで○百万単位)いく人は、もうなかなかいない。FANZAの台頭により、制作や出演者の取り分があまりに少ないからだ。現在ではデビュー作で10-20万いけば良いほうで、単体のギャラは年々暴落しているという。芸能界への憧れから騙され強要された人は、新法による熟慮期間と1年だけ取消権があることで、被害を回避できるようになった。しかし、貧困や逆境環境や性暴力、発達特性、関係性依存からAVしか道がないと決意した人は、救済から溢れ落ちている。

AV女優であったことを売りにセカンドキャリアを築く人も増えているが、れいさんは、周囲に自身のAV女優経験をアピールして何らかの生き残りを目指したくはなかった話す。それは、新たな被害者を生んでしまいかねないからだ。セクシー仕事しても、その後安泰というイメージは、生存者バイアスだからだ。数限りない女優たちが心身を痛めている。自ら命を絶った人もいる。苦しんでいる人や亡くなった人たちの声は、メディアに取り上げられることなどないだろう。メディアが、AV女優の表面上キラキラした煌めきとともにセカンドキャリアを持ち上げて流布することは、多くの若年女性を勘違いさせるとともに、性搾取側に餌食を差し出す行為に加担しているように見えると、れいさんは語った。生き残った煌めきより、踏みつけられ、血を流し、失われた尊厳の重さを考えて欲しいと。

AV出演被害防止・救済法 ができたのは、成人年齢引き下げがきっかけだ。みきさん(仮名)19歳は、大学進学直後にアルバイトで知り合った友人の知人という男性に無理やり監禁され、性暴力被害に遭った。そのことで両親と不仲になり家出。生きるために性風俗を始め、もっと稼ぐためにAV出演もした。すべては貢ぐためだった。風俗やAV出演のギャラもホストが求めるサービスのために使った。ホストに褒められるためになんでもやった。ある日、生理がこないことに気づいた。市販の検査キットでは陽性だった。AV出演対策委員会 のつてで中絶するしかなかった。現在はシェルターに入りPTSD治療中だ。

みきさんは薬物などを使われて、わけのわからないうちに撮影され、ギャラはホストに渡ったという。契約書も撮影側から渡されておらず、すべては闇の中だ。刑事告発も難しく19歳の女の子に成人だからといって、このような理不尽の責任を負わせるのは、間違っている。性も飲酒なみの法整備が必要ではないだろうか。

AV出演対策委員会に寄せられた相談からは、街金と性搾取を同時にしているのが、日本の性産業、AV業界であるように見える。 AV出演被害防止・救済法 見直しでは、こぼれ落ちた被害者の救済に目を向けて欲しい。

トラウマの再演 や性的自傷について新婦人しんぶんとAPP研の論集に書きました。

注)被害経験のある方は、フラッシュバックの可能性があります。

郡司真子/ Masako GUNJI
@Koiramako
1年だけで約二千万稼いで辞めたけど、後悔している人の話を書きます。キャリア売りで生き延びたくなかった。出演を絶対に勧めない。彼女は、たまたま、地獄から救ってくれる人に出会えた。沼から抜け出せず命を失った人たちも少なくない。早く性搾取に気づいて欲しいから、体験を語ってくれました。1/
2022/10/19 20:02
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郡司真子/ Masako GUNJI
@Koiramako
れいさんが鶯谷の高級ソープに面接に行かされた時、
コンドームを勿論使いますよね?と質問したそうです。支配人は、「お客様のすべてを受け入れるのが、あなたがたのお役目なんですよ。その優しさに対価が支払われるです。」と答え、
絶対に逃げようと、決意したそうです。
#AV出演被害防止・救済法
郡司真子/ Masako GUNJI @Koiramako
1年だけで約二千万稼いで辞めたけど、後悔している人の話を書きます。キャリア売りで生き延びたくなかった。出演を絶対に勧めない。彼女は、たまたま、地獄から救ってくれる人に出会えた。沼から抜け出せず命を失った人たちも少なくない。早く性搾取に気づいて欲しいから、体験を語ってくれました。1/
2022/11/01 18:12
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ジャーナリスト 郡司真子 komaken602@gmail.com

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