ふつうの人が議員になる意味
このニュースレターを書いた理由
コロナ対策、貧困支援、福祉政策が、本当に必要な人に届いていないと感じる日々、世襲、タレント、お金持ち、エリート、何かの肩書きがあるというわけではない、「普通の人」がもっと大勢、議員になることが、私たちの社会には必要ではないかと考え、渡辺てる子さんにお話を聴きました。
生きていくことは、政治と切り離せない、政治と自分は繋がっていると、気付く人が増えてほしいという思いを込めました。
てるちゃんについて
渡辺てる子さんは、山本太郎代表に2019年の夏、参院選出馬を打診され、れいわ新選組に入党、2度の国政選挙に挑戦しました。れいわの女性候補の中でも、特に貧困、介護、シングルマザーを取り巻く社会問題について声を上げ続け、印象的で、固定ファンも多く、あたたかいぬくもりと包容力のある、「お母さん」を絵に描いたような女性です。
2022年2月13日、渡辺てる子さんのTwitterアカウントから発信された「去就」という言葉に注目が集まりました。ほとんどのリプライは応援するものばかりでしたが、立憲民主党の山岸一生議員と並んだポスターが2月上旬に都内に貼り出されたことについて、「順序が違うのでは?」と、真意を問う厳しい意見も寄せられました。
近日中に、渡辺てる子の去就を皆さまにお伝えさせていただきますので、しばらくお待ち下さいませ。
よろしくお願い致します。
2月15日、渡辺てる子さんはTwitterで、立憲民主党から東京都練馬区議補欠選挙に立候補するという発表をしました。
皆さまには本当に長い間、応援していただき、どんなに感謝しても足りません。
本当にありがとうございます。
頑張りますので、よろしくお願い致します。
なぜ、れいわ新選組からではなく、立憲民主党なのか。国会議員ではなく、区議なのはどうしてなのか、てる子さんのYOUTUBEチャンネルでも発表されました。
渡辺てる子チャンネルで語られた5分の内容は以下のとおりです。
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2021年の衆院選後、れいわ新選組の規約として、国会議員に当選しなかった人は党籍を失う。現在は、元れいわ候補者という立場で、無所属だった。
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山本太郎代表に2019年の夏、参戦選出馬を打診されれいわ新選組に入党、2度の国政選挙に挑戦した、毎年、何らかの選挙に関わってきたことへの感謝。
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れいわの躍進のために頑張ってきたが、2021年衆院選後、れいわメンバーでなくなっていたことで、心のエアポケットがあるような虚脱状態だった。
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東京都練馬区補選にでないかと立憲民主党から要請を受けた。自身の候補者としての当事者としての評価を受け、熱い思いに心を打たれた。政治活動を継続するために決断した。
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シングルマザー、派遣労働者、家族介護の当事者として、練馬区という場所でみなさんの声を聴き、問題を解決できるその役割を担いたい。
菜の花 資料映像
YOUTUBEチャンネルの内容以外に、私はどうしても尋ねたいことがあったので、渡辺てる子さんに記者会見開催をお願いしてみたら、なんと、開催しますとのご連絡をご本人から直接頂きました。
詳しくは makog.theletter.jp
#theletter に書きます。
2022年2月24日 立憲民主党 渡辺てる子事務所
渡辺てる子さん記者会見
◉なぜ、れいわでなく立憲民主党なのか、なぜ、国政ではなく区議なのか
昨年の衆院選の時点で、れいわの国政議員でないと、メンバーから外れるという規約があって、完全にシステム上のことで、何らかの問題があったわけではないです。
私のアイデンティティは、生活するもの、当事者であるということ、シングルマザー、非正規雇用の人たちの就労状況を少しでも良くしたいという思いがあります。このコロナ下でもともと生活困窮者であった人が、さらに大変な状況に追いやられています、地域に根付いた形で、ひとりひとり確実に問題を解決するという役割を担いたいという思いが強まりました。
れいわでは国政を目指したが、立憲民主党は、国政、地方、両方の議員を擁しています。地域に根付いて確実に活動している基盤や党の体勢がある中で、私の思いを遂げたいのです。私の中では必然的な結びつきでした。
国政と地方行政はまるきりフィールドが違うのですが、練馬区の財政の中で、ひとりひとりの方を大切に、抱える問題を解決する地方議員の役割を果たしたいです。(渡辺てる子さん)
◉立憲民主党が渡辺てる子さんに望むこと
渡辺さんにはこれまでの思いがあり、良さがあり、それをひっくり返してくれというやり取りはしていないです。渡辺さんの思いに共感した多くの方がいらっしゃいます。その良いところを組織の公認を得たということで潰してしまっては、本末転倒。渡辺さんの良いところはそのまま心の中で持って、区議の議会議員としての活動をしていただきたいです。(山岸一生衆議院議員 写真右)
2022年2月24日 立憲民主党 渡辺てる子事務所
◉練馬区議会議員としてやりたいこと
これまでおひとりおひとりの悩みを寄せられたりご意見を伺ったりすることしてきました。大きな政策の枠組みを決めるのは国政の役割ですが、そこに住む人ひとりひとりに寄り添っていく、具体的な、その人の千差万別な人生もあるわけだから、よりきめの細かい直接の対応ができます。私のもともとのポリシーは、私も当事者ですが、皆さんも当事者、いろんな当事者の思いを具体的にして世の中を変えていくということです。ここは揺るぎないところなんです。
子育てしやすい、働きやすいという仕組みは、他の多くの人たちも同様に暮らしやすい仕組みなんです。特に練馬区は、子育てしやすく、特に子育て世代が近隣から入ってくるということから、子育て世代の期待が高い、ポテンシャルが高い地域です。より細かな母子家庭に向けての調査をきちっとした上で、その現状把握し、ニーズや当事者の声をまずはしっかりと聴いて、それをいかに具体的に反映していくか、というのがまず第一です。今コロナで保育園が休園になると、子どもを預けられない、仕事に行けない、収入を得られないということで、一番大変なのが、やはり、母子家庭。病児保育を拡充する、待機児童ゼロということに一応なっていますが、保育の質も問題になってきます。保育士の待遇、保育士を含むエッセンシャルワーカーの方々の待遇を良くしていくということで、保育の質を高められます。そうすると、働いている保護者は、安心して子どもを預けられます。安心して子どもを預けられるということは大切で、保育の質を高めることになります。
どの家庭に育ってもどの地域に住んでも同じサービスが受けられるべきです。格差の問題は、練馬区だけで単独で解決できる問題ではなく全体で連携して解決していくことが必要です。住宅行政も充実させていくことができそう。
◉野党協力について
複数区(2人)であるので、基本的には、各政党、切磋琢磨をしていくというのが基本姿勢。地域の政治団体や政党とは情報を共有しながら進めてきています。
複数区では各党それぞれベストを尽くすというのが基本です。(山岸一生衆議院議員)
◉女性が議員になるということの意味
(私の質問への回答です)
(日本の)ジェンダーギャップ指数は世界で第120位。先進国で一番低いレベルです。それは女性議員の数が圧倒的に少ないということに起因しています。
議員になることが目的ではなく、手段。議員になれば、より多くの人の問題を解決することができます。援助や効果が確実に行き渡るんです。だから議員になるんです。議員は、「私たちの思いを具現化する手段」です。私は「当事者」ということを大切にしています。「当事者の思いを代弁するのが代議士」であり、私は、当事者の思いを具現化したいのです。
今、若い女性が議員になりたいというのは、大歓迎です。コロナで、女性や若者の自死が増えています。それだけ追いやられているってことなんですよ。自分が困っているってことは、他の人も困っているということ。生きることは政治的なことなんだと考えて、私には、議員に立候補するのは、必然的な結果なんです。62歳で新たな挑戦をするというのは無謀かもしれないけど、このチャンスを生かしたいです。
2022年2月24日 渡辺てる子さん
会見を終えて
山岸議員が、会見後、個別にお話しくださった中で、「てる子さんが議員になっていく姿を見届けて欲しんです。てる子さんが議員になっていく姿をみた人たちが自分も議員になりたいと続いてくれたらいい。」という言葉が心に残りました。
また、「これまで立憲のこと、あんまりどうかなって思ってる人たちの期待にも応えられるんではないかな」という本音?も聞けました。
2021年の衆院選分析で話題になった東京大学McElwain教授の調べでは、立憲民主党、共産党の支持者は、中高年層が多く、れいわと維新は若者が支持していたことが明らかになりました。また、女性は、野党に投票する方が多かったという結果です。これは、野党にとってかなりの衝撃だったようで、若者に人気のれいわイメージを残しつつ、独自の支持層を持つてる子さん獲得へ立憲民主党が動いたと読めます。
実際、てる子さんの街頭演説や応援団には、若いスタッフが多く、活気を感じます。れいわっぽさが引き継がれたのが象徴的で、渡辺てる子だから応援しているという人たちが、党を変えても、変わらず、支援を表明しているそうです。
Kenneth McElwain教授の衆院選分析は衆院選直後、日本経済新聞に掲載され、ジャーナリスト津田大介さんのポリタスでも引用され、大きな話題になりました。
niconico📺live.nicovideo.jp/watch/lv334465…
※放送は15(月)19時まで無料で視聴できます。それ以降は下記の有料アーカイブサービスをご利用ください→youtube.com/PolitasTV/join
東京都練馬区議会議員補欠選挙は、2議席。
4月10日告示予定
4月17日投開票予定で
てる子さんの他に、与党、与党に近い野党、他野党が立候補するのではと、予測されています。
議員になるのは、当事者の思いを実現する手段だというてる子さん、毎日駅立ちを続けています。
《生きることは政治的なこと》
日常を生きる私たちが政治に参加する意味を全身で伝えているように見えます。
取材・文 郡司真子 フリージャーナリスト
ご連絡、ご意見はメールでお願いします。 komaken602@gmail.com
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