署名4万超を6省庁に提出しました。
AV18歳19歳契約問題院内集会報告
A V強要問題対策委員(AV出演者、性売買出身者、支援職の団体)が始めた署名運動は、
2022年3月12日から25日までに、Cheage.org と Google forms 重複なし合計で4万筆超えました。署名発起人はAV出演出身者と性売買出身者と支援職です。
このニュースレターの写真には、提出側は、私しか写っていませんが、発起人さんが、顔出しNG のために、私が代表して署名を提出しました。
署名の立案、呼びかけ文は、発起人の松本ゆかりさんによるものです。
◉ 2022年3月25日(金)院内集会で署名を提出しました
提出先の国の6つの機関
法務省、厚生労働省、消費者庁、文部科学省、内閣府男女共同参画局、警察庁
参加した国会議員
立憲民主党 大河原まさこ 議員、立憲民主党 山井和則 議員、社民党 福島みずほ 議員、日本共産党 本村伸子議員、
立憲民主党 鎌田さゆり議員 秘書、、自由民主党 松本洋平議員 秘書、
日本共産党 倉林朋子議員 秘書、日本共産党 山崎拓議員 秘書
日本共産党 宮本徹議員 秘書
◉ 請願書
I 請願の趣旨
2022年4月1日から成人年齢引下げに伴い、18歳、19歳がアダルトビデオ出演契約を結んだ際に「未成年者取消権」が使えなくなります。性搾取被害が深刻化することを防止するために、必要な法整備を行ってください。消費者契約法で保護すべき領域を拡大させ中学、高校で消費者詐欺被害を防ぐ指導の必要があります。包括的な被害対策教育の実施と、被害発生後の救済措置としての「未成年者取消権」を消滅させないでください。AV出演契約に関わる18歳、19歳の取消権の存続のための立法化、違約金や費用請求からの救済、撮影が行われた後で販売中止にできる救済措置が必要です。4月1日までもう時間がありません。
・18歳19歳を対象にした未成年者取消権の存続
・違約金や費用請求からの救済措置
・撮影完了後であってもリリース前に販売差し止めを可能にする救済措置を盛り込んだ法整備をお願いします。
・文科省として被害対策の啓発活動の範囲を中学、高校へと拡大してください。4月からの被害が容易に予見できる状態です。包括的な対策をお願いします。
・性的映像記録と配信するプラットフォームを帰省する法整備をお願いします。風営法を公平に適応してください。
・性的な自傷やトラウマの再演を搾取されないための福祉的支援と知識の広報をお願いします。
・繁華街の悪質スカウトだけでなく、インターネット上のスカウトも規制してください。
II 要請の理由
「不当な手段によって締結された契約は、詐欺や強迫等を理由として取消権を行使できる」ありますが、スカウト業者による勧誘の手口は巧妙で、明確な脅迫がなくても、あれよあれよという間に不当契約を結ばされてる、というのが現状です。言いくるめられて洗脳される世界です。自分の契約が不当か正当かの判断すらつかない女性がほとんどです。騙されてスカウトされる以外にも、AV出演に憧れる若者が増え、AV出演の業務内容を全く知らないまま、過酷な演出に強制的に同意させらたり、仕事のためとして美容整形や性売買を強要されてしまう被害が広がっています。事務所を解約しようにも、事務所から多額の借金を重ねて抜けるに抜けられない状態や、孤立させられて、誰にも相談できない状態のまま強制的に過酷な現場に送り込まれてしまうという実態があります。
また、AV出演のような性的な行為を行うことについては、主体的に選んだように見えても、性暴力被害者や様々な困難のサバイバーは、トラウマの再演であったり、性的な自傷であることが、医学的にわかっています。しかしながら、このような知識は、本人にも事務所や制作側にもありません。倒れて医療につながって、初めて知らされるということがほとんどです。(白川美也子「トラウマのことがよくわかる本」講談社2019年)
これまで既存の市民団体から、AV出演強要問題で声が上がり、業界は自主規制を段階的に強めていますが、AV人権倫理機構管轄外の同人AV、個人配信による被害がコロナ禍で急速に拡大しています。
4月以降も20歳のラインを維持するものとして「飲酒」「喫煙」「ギャンブル」があります。これらは、健康上の配慮から20歳で据え置きとなってますが、AV出演も健康上の問題と健全育成に多大な影響を及ぼすのに、なぜ20歳据え置き項目の対象外なのでしょうか。AVの場合、心身に健康被害を負う上に、永続するデジタル性暴力やPTSDでその後の生き方を一生左右される可能性もあります。こういった被害は、被害者が被害認識を持つまでに時間が掛かるのが特徴です。被害者が被害に気付いて後悔し始めたときにはすでに自分の裸の映像が流通してしまった後だった、その映像を再生される限り反復的にPTSDを発生する、社会生活が送れなくなる、就職が困難になる、希死念慮に襲われる危険もあります。妊娠や性感染症、子宮頸癌だけでなく、メンタルが負うダメージがもっと広く共有されなければなりません。トラウマの再演、性的な自傷でAV出演した結果、さらなる傷つき体験を重ねて、性依存や自死に至るケースもあります。飲酒、喫煙、ギャンブルより、心身への影響が大きいものになります。若者の健康を守ってください。
以上
◉ 騙されてだけではないAV出演問題キラキラ憧れを搾取
「主体性が乗っ取られた」人を大勢見てきたし、私もそうだった。
搾取側に過剰適応しないと生き残れない現場での《意志》《脱ぎたい権利》なんて、呪いみたいなものだ。
署名発起人から➡︎
「主体的選択」「自己決定」が果たして本当に「主体的選択」「自己決定」と呼べるかどうか検証する必要があります。
男性が責任回避するために「女性による決定」を誘導するのはとてもありふれた常套手段。
まともなフェミニストは、過剰適応した主体性を疑問視するし、背景やメディア、教育の問題を指摘しています。搾取に都合良い主体性を刷り込んで「否定するのは人権意識薄い」と言う派は似非です。
AV業界=AV人権倫理機構の管轄内の作品作りをする業界
AV人権倫理機構では、現在、18歳19歳の出演者はいないという回答。
同人AV、個人配信は、無法地帯。
AV業界関係者への取材から
性的なシーンは、PTSDの可能性も。被害者が被害認識を持つまでに時間が掛かかり、その映像を再生される限り反復的にPTSDを発生する、社会生活が送れなくなる、希死念慮に襲われる危険もあります。トラウマの再演、性的な自傷でさらなる傷つき体験を重ねて、性依存や自死に至るケースもあります。
引退してからも被害に遭い続ける
《一般的には、絶対に許されないような自慰行為に関しての言葉を引退してからも投げつけられ続けるのは、異常です》
出演者の自己責任にしてはいけない。
《引退してからも性消費され続けるなんておかしいでしょ。しかも迷惑料も慰謝料も支払われずに精神汚染され続ける。トラウマの医療費は自己負担です。
完全におかしいんです。
このおかしさを、引退者が伝えていかないといけないんです》
◉署名呼びかけ文
2022年4月1日から成人年齢が18歳に引下げられますが、それに伴い、18歳、19歳がアダルトビデオ 出演契約を結んだ際に「未成年者取消権」が使えなくなってしまいます。
今回の民法改正により、AVの出演契約者が18歳、19歳だとしても「成人」として扱う、と政府が閣議 決定した答弁書に書かれてしまいました。
政府は答弁で、「成人」扱いとなった18歳、19歳にも「未成年者取消権」を拡張することは困難だ、と 回答。「不当な手段によって締結された契約は、詐欺や強迫等を理由として取消権を行使できる」との ことですが、スカウト業者による勧誘の手口は巧妙で、明確な脅迫がなくても、あれよあれよという間に不 当契約を結ばされてる、というのが現状です。言いくるめられて洗脳される世界です。自分の契約が不当 か正当かの判断すらつかない女性がほとんどではないでしょうか。
契約の正当性の如何を問わず、いかなる理由であれ取消できたのが「未成年者取消権」であり、これは 最後の砦でした。
この権利がなくなってしまうことで、若さに付加価値が付くAV業界で18歳、19歳の女性が集中的に狙 われることは自明です。
4月以降も20歳のラインを維持するものとして「飲酒」「喫煙」「ギャンブル」があります。これらは、健康上 の配慮から20歳で据え置きとなってますが、AV出演も健康上の問題と健全育成に多大な影響を及ぼ すのに、なぜ20歳据え置き項目の対象外なのでしょうか。
AVの場合、心身に健康被害を負うし、永続するデジタル性暴力やPTSDでその後の生き方を一生左 右される可能性もあります。
こういった被害は、被害者が被害認識を持つまでに時間が掛かるのが特徴です。
被害者が被害に気付いて後悔し始めたときにはすでに自分の裸の映像が流通してしまった後だった、そ の映像を再生される限り反復的にPTSDを発生する、社会生活が送れなくなる、就職が困難になる、 希死念慮に襲われる...
妊娠や性感染症、子宮頸癌だけでなく、メンタルが負うダメージがもっと広く共有されてほしいと思います。
林伴子男女共同参画局長は、「AV出演強要被害予防のため・・」と言ってましたが、なぜすでに被害が 予見できているにも拘わらず「予防」に終始するのでしょうか。
被害発生後の救済措置を講じるのが国の責務ではないのでしょうか。
「内閣府では成人年齢引下げに伴い若年層のAV出演強要などの問題に取り組むためポスターリーフ レットを作成し大学などに配布」とのことですが、大学で啓蒙することでどれだけの成果を挙げられるの か疑問です。性産業に吸収される女性は圧倒的に中卒/高卒が多いからです。(最近は現役大学生 や大卒も増えてきましたが、中卒/高卒といった学歴がなく就業の選択肢がない脆弱な女性が圧倒的 に多いです。)高校3年生ですでに成人年齢に達するのに、啓蒙活動の対象エリアが大学だけなのは おかしいです。また、強引な勧誘を伴うエステや整形、ショッピングローン、マルチ商法などで多額の借 金を抱えて性産業に吸収されてしまう女性もたくさんいます。
18歳でどれだけの判断力が養われてるという前提なのでしょうか。消費者契約法で保護すべき領域もっ と拡大させる必要がありますし、中学、高校の授業で消費者詐欺被害に遭わないような授業をプログ ラムする必要があります。どうか、包括的な被害対策教育の実施と、被害発生後の救済措置としての 「未成年者取消権」を消滅させないでください。
(2022年3月19日追記事項)
ポルノ、AV出演契約に関わる18歳、19歳の取消権の存続のための立法化、違約金や費用請求から の救済、すでに撮影が行われた後で販売直前であっても販売中止にできるような救済措置を図ってくだ さい。
(2022年3月21日追記事項)
国会議員各位、議員立法成立に向けて賛同をお願いします。 4月1日まで時間がありません。 被害を 未然に防ぐべく、大至急、以下
・18歳19歳を対象にした未成年者取消権の存続 ・違約金や費用請求からの救済措置 ・撮影完了後であってもリリース前に販売差し止めを可能にする救済措置
を盛り込んだ議員立法を成立させてください。また、文科省は被害対策の啓発活動の範囲を中学、高 校へと拡大してください。被害が予見できてるにも拘わらず対策を取らないような怠慢は許されません。 包括的な対策をお願いします。
18歳19歳のAV出演契約取消権は、国として、守らないといけない。
今日参加くださった6省庁の官僚の皆さん、お願いしますよ。
《AV強要問題対策委員会によると、スカウトの勧誘手口は巧妙で、明確な手口がなくても、あれよあれよと不当契約を結ばされているという。また、AV出演に憧れる若者が増え、業務内容を知らないまま過酷な演出に同意させられるような被害も広がっているという。
署名の発起人の1人、松本ゆかりさんはこの日、ウェブ会議システムで、関係省庁や報道陣に向けて次のように話した。
「若い日の自分の言動でまったく後悔のない人はいないと思う。AVは、『出なきゃよかった』と自分の被害の大きさに気づいて、絶望して、涙が出てくるころには、もう自分の性的姿態がネットの海に出て、回収できないという後悔です。若い子たちがワナにはまってしまうことを判断力のなさや自己責任に帰結させないでほしい」》
◉署名提出を終えて
どの省庁の官僚たちも、強要はあってはならないという。強要にならないことが大切だと。
しかし、言葉巧みに同意させられたり、憧れて、性的な魅力だけの価値観に囚われてしまったり、性的な自傷、トラウマの再演、性化行動を搾取される場合は、主体性を乗っ取られている状態で、本当の意味で同意とは言えないはず。しかしながら、そのような状態も、現行法では同意、自己責任とされてしまう。
憧れや決意を持って業界に入っても、キラキラできるのは、デビュー作だけという人や、そもそもデビューさせてもらえず、性売買市場で搾取されていく人の方が多いのが現実だ。
私が取材したAV業界関係者は、入ってくる女性は、業界や仕事を知らな過ぎるし、知らないことが搾取される、「女優」には、あえて情報を与えないようにされているという。
これから社会に出る若い人たちが性搾取に遭わないためには、私たち大人は、何ができるだろうか。
性教育、人権教育、契約に関する教育、性売買、アダルト業界、性的画像記録が売買されるプラットフォームの問題を伝えていくこと、法整備を求め続けること、性搾取を社会からなくすことを諦めないことだと思う。
性搾取の問題は、アダルトコンテンツだけではなく、一般映画業界でも今問題が噴出している。一般映画でもアダルトコンテンツでも、性的表現の同意について、人権に基づいた「インティマシー・シーン」撮影のルール作りを構築して行くことが、ひとりでも苦しむ人を出さないために必要だ。
◉追記
2022年5月9日月曜日午後1時から厚生労働省記者クラブ内で声明についての記者会見を行います。
フリージャーナリスト
郡司真子
ご意見は、メールください。komaken602@gmail.com
すでに登録済みの方は こちら